放射線科
診療科の紹介
当科は、放射線科専門医2名、診療放射線技師13名(うち女性技師5名)の専門性を有するスタッフが在籍しています。80列MDCT、3.0TMRI、バイプレーンシステムの血管造影装置などを用い、臨床医が求める診断価値の高い画像を提供することを責務としています。
日本医学放射線学会の放射線科専門医総合修練機関に認定されており、放射線診断専門医により迅速かつ解りやすい診断レポートの作成を心がけています。
特色(得意とする分野)
生野区の基幹病院として、地域の病院や診療所から検査の依頼も受けつけており、予約検査では可能な限り待ち時間の短縮を心がけています。患者に対するX線検査での低被ばく化などはもちろんのこと、正確な画像診断とその補助に向け日々研鑽し、認定制度や専門知識の取得向上に励んでおります。
撮影装置一覧
一般撮影装置 | |
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X線撮影装置 | キヤノン(株) MRAD-A50S/70 |
キヤノン(株) KXO-32S/J3 | |
FPD装置 | キヤノン(株) CXDI-HI |
キヤノン(株) CXDI-710W | |
多目的X線透視装置 | キヤノン(株) Ultimax-i FPD |
CT撮影装置 | キヤノン(株) Aquilion PRIME SP |
MRI撮影装置 | キヤノン(株) Vantage Titan 3.0T |
骨塩量測定装置 | (株)日立製作所 DCS-600EXV |
乳房撮影装置 | フジフィルム(株) AMULET Innovality |
心・頭部血管撮影装置 | キヤノン(株) INFX-8000V/H9 |
画像サーバ | コニカミノルタ ジャパン社 Plissimo |
マンモグラフィワークステーション | (株)クライム Mammary |
ドクター紹介
氏名 | 役職 | 専門医資格・所属学会など |
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南川聡介 | 部長 | 日本医学放射線学会放射線診断専門医 |
大隈志保 | 副部長 | 日本医学放射線学会指導医 日本医学放射線学会放射線診断専門医 |
一般X線検査
よくレントゲン撮影とかX線撮影と呼ばれているもので、X線を使って体内の様子を調べる検査です。一般X線撮影部門では胸部や腹部、骨といったあらゆる部位のX線撮影を行っています。胸部(肺)の撮影では肺がんや肺炎などの病気が診断され、また骨折や脱臼、関節炎や骨腫瘍などの骨の病気が診断されます。
当院では、2018年6月より最新鋭のFPD(フラットパネルディテクタ)システムを全面導入しました。それにより従来よりも高画質の画像が得られ、約30%~50%の被ばく低減が可能となりました。通常の一般撮影に加え、全脊柱や下肢などの長尺撮影や病室撮影も全てFPDで対応しています。
内容
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- 検査時間
- 5分程度(検査内容により異なる)
-
- 検査料金
- 3割負担 2,000円程度(検査内容により異なる)
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- 2019年度実績
- 29,055件
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- X線発生器
- キヤノン(株) MRAD-A50S/70 KXO-32S/J3
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- FPD
- キヤノン(株) CXDI-HI CXDI-710W
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一般撮影室 -
FPD CXDI-710W
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肩関節石灰化 -
大腿骨頸部骨折術後
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変形性膝関節症 -
高位脛骨骨切術後
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下腿2ヵ所骨折 -
下腿骨折術後
-
肺癌 -
肺癌
X線透視検査
X線透視検査は、テレビモニターで実際の動きを見ながら行う検査です。消化管X線検査(バリウム検査)で検診や手術前の精査を行います。
他にも内視鏡を用いた気管支鏡や膵管・胆管の造影検査、整形での関節・脊髄腔の検査や治療も行い、検査は多岐に渡ります。
内容
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- 検査時間
- 検査内容により異なる
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- 2019年度実績
- 消化管X線検査 2,655件
- 特殊透視検査 723件
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- 多目的X線透視装置
- キヤノン(株) Ultimax-i
-
Ultimax-i -
腹部血管造影 肝細胞癌
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内視鏡的逆行性胆道膵管造影 総胆管結石 -
気管支鏡検査 肺癌
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脊髄造影 椎間板ヘルニア -
膀胱造影 形態判定
-
胃X線検査 早期胃癌 -
胃X線検査 早期胃癌
胃X線検査とは
食道から胃・十二指腸の病変をチェックするための検査です。
バリウムを飲んでもらい、胃の壁にバリウムを付着させ、様々な方向から胃を撮影します。
撮影台の上でグルグルと回ってもらい、姿勢を変えてもらう必要があります。
検査の流れ
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前日の夜から絶飲食です。普段から服用されている薬(糖尿病の薬以外)は、当日なるべく早い時間帯に服用してください。
-
担当者の指示に従い、検査が始まります。まずは発泡剤を飲み、その後バリウムを飲んでいきます。
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検査中は撮影台の上でグルグルと回ってもらいます。“げっぷ”を我慢して下さい。
我慢していただく事で胃が膨らみ、胃全体を広く観察することが出来ます。
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検査終了後は、下剤を必ず服用されますようお願いします。
注意事項
-
検査前日20時頃以降は絶飲食です。
-
検査後、バリウムを体外へと出し切るまでが大切です。
錠剤(下剤)の効果を出来るだけ発揮するために、出来るだけ多くの水を飲んでください。 -
※血圧・心臓・喘息のお薬を服用されている方へ
主治医とご相談のうえ、午前7時までに少量の水(コップ1/4程度)で服用してください(糖尿病の薬は服用しないでください)。
CT検査
身体の様々な方向からX線をあてることで、輪切りの画像を撮影する検査で身体のあらゆる部位の内部構造を画像化することが可能となり、体内の様々な病巣を発見することができます。特に近年では技術やコンピュータの進歩によって、より広い範囲を高速に撮影することが可能になっています。
2021年3月に80列マルチスライスCT装置に更新し、最先端のアプリケーションを用い、低被ばく撮影・少ない造影剤での高画質な検査を行っています。
内容
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- 検査時間
- 単純検査10分程度/造影検査20分程度
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- 検査料金
- 単純検査 3割負担 6,000円程度
- 造影検査 3割負担 10,000円程度
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- 2019年度実績
- 10,423件
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- CT撮影装置
- キヤノン(株) Aquilion PRIME SP
-
Aquilion PRIME SP
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下肢動脈 -
冠動脈
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くも膜下出血 -
髄膜腫
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肺癌 -
肺癌
-
肝細胞癌 -
肝細胞癌
検査を受ける際の注意点
下記に該当する方は事前にご相談ください。
- 埋め込み型除細動器(ICD)を使用されている方。
- 妊娠中もしくは妊娠の可能性のある方。
- 検査前1週間以内にバリウム検査を受けられた方。
- 閉所恐怖症の方。
更衣について
撮影部位にボタンやホックなどの金属があると画像に影響を与えることがありますので、必要に応じて更衣をしていただきます。
検査中の注意
- 検査時間は、通常10~20分です。
- 頚部、胸部、腹部の撮影では息を止めていただきます。
- 撮影は十数秒で終わりますので体を動かさないようにしてください。
- 検査によっては、体を固定させていただくことがあります。
造影検査を受ける方へ
CT検査は、造影剤を使用しなくても行えますが、検査部位や検査目的によっては造影剤を使用することがあります。造影剤を使用することで、
病気の状態や血管の走行が分かりやすくなり、より正確な診断が可能になります。
CTで使用する造影剤は腕の静脈から注入され、造影剤が入る際には身体が熱く感じますが、すぐに収まります。造影剤は通常24時間で尿となって身体から排泄されますので、検査後は水分を多めに摂ってください。ただし、医師から水分制限を受けられている方は医師にご相談ください。
また脱水症状が起こるような激しい運動、当日のアルコール摂取はお控えください。
※以下の方は、造影剤が使用できない場合があります。該当される方は事前に主治医にご相談ください。
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以前に造影剤を使用して副作用のあった方
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重篤な甲状腺疾患のある方
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喘息のある方(治癒していても5年未満の方)
安心して検査を受けていただくために
CT検査はX線を使用しているため被ばくを伴う検査です。最近のマスコミで言われているように、被ばくによるリスクは一般のレントゲンに比べれば高い検査です。
しかしながら、検査を行うことで病気の早期発見や、病気の状態を知ることができるため、患者さんにとって利益のほうが圧倒的に多いと考えられます。また、装置や技術の進歩によって被ばく線量は減ってきており、我々、診療放射線技師も可能な限り低い線量での検査に努めていますので、安心して検査を受けてください。
MRI検査
磁気と電波を利用して画像を撮像し、様々な断面の画像が得られます。
X線を使用しないので放射線による被ばくはありません。
内容
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- 検査時間
- 単純検査30分程度/造影検査40分程度
(検査内容により異なる)
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- 検査料金
- 単純検査 3割負担 8,000円程度
- 造影検査 3割負担 10,000円程度
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- 2019年度実績
- 4,535件
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- MRI撮影装置
- キヤノン(株) Vantage Titan 3.0T
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Vantage Titan 3.0T
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diffusion 脳梗塞 -
ADC 脳梗塞 -
FLAIR 脳梗塞
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T2 強調 動脈瘤 -
slab MIP 動脈瘤 -
MRA 動脈瘤
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T2強調 椎間板ヘルニア -
T1強調 椎間板ヘルニア -
T2強調 椎間板ヘルニア
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STIR 圧迫骨折 -
T1強調 圧迫骨折 -
腰椎側面 圧迫骨折(一般撮影)
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computed diffusion(b=2000)前立腺癌 -
diffusion(b=1000)前立腺癌
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ADC map 前立腺癌 -
T2強調 前立腺癌
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T1 強調 大腿骨頸部骨折 -
股関節正面 大腿骨頸部骨折(一般撮影)
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T2* 半月板損傷 -
T1 強調 半月板損傷
検査手順
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MRI検査を安全に行うため、検査前に【MRI検査確認書・同意書】を用いて確認をさせていただきます。
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確認終了後、検査用ベッドに寝ていただきます。
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検査が始まると、「トントントントン」という音が聞こえてきますが、検査を行う上で必要な音ですのでご了承ください。
検査中、撮像を行う部位によっては息を止めて検査を行うことがあります。
検査時間は検査部位にもよりますが、おおよそ30分です。 -
検査内容により、造影剤を用いることがあります。
検査を受けることが出来ない可能性のある方
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ペースメーカーなどの電子機器を使用されている方
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人工内耳を埋め込まれている方
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脳血管の手術などでチタン製以外の脳動脈瘤クリップが入っている方
そのほかにも、補聴器、眼鏡、ヘアピン、ウィッグ、装身具、時計、携帯電話、磁気カード、入れ歯などはMRI室の中に持ち込んでしまうと、MRIの磁気により破損などの恐れがあります。
車椅子、ストレッチャーなどもMRI室専用の非磁性体のものに限られます。
検査についてご不明な点などがあれば、電話またはメールでお問い合わせください。
乳房検査(マンモグラフィ検査)
乳房のX線撮影のことで、触診ではわからない乳がんや自覚症状のない乳がんなどの早期発見に有効な検査です。専用のマンモグラフィ撮影装置を使い、乳房を薄く圧迫してから撮影をします。圧迫する時は多少の痛みを伴いますが、薄くすることで乳腺の重なりがなくなり、少ないX線量で撮影することができ、乳がんの発見率もあがります。
2020年12月装置更新に伴い、マンモ専用の読影ワークステーションを導入、撮影は5名の女性技師が担当し、安心して検査を受けてもらえるように心掛けています。
内容
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- 検査時間
- 10~20分程度
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- 2019年度実績
- 1,410件
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- 乳像撮影装置
- フジフィルム(株) AMULET Innovality
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AMULET Innovality
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MLO撮影 乳がん -
MLO撮影 乳がん
検査の方法について
基本的に立って撮影を行います。検査時間は10分から20分程度です。
片側ずつ乳房を圧迫板で押さえて撮影します。写真を確認してより詳しく撮影する必要がある場合は拡大した写真を撮影する場合もあります。
車いすの方や立つことが難しい方でも椅子に座って撮影できる場合もありますので、お問い合わせください。
更衣について
- マンモグラフィ撮影では乳房の柔らかい組織を撮影するので、洋服も写真に写ってしまうため、検査時には脱いで頂きます。
- また制汗剤などのパウダーも写真に写ってしまい乳がんと間違う恐れがあるため、撮影前によく拭き取っていただきます。
検査中の注意
- ホルモンの関係で乳腺が張っていると撮影時の痛みは強くなるため、乳腺の張らない時期(月経開始から1週間後から10日後)の検査をおすすめします。
- 力が入っていると乳房をうまく圧迫できず痛みも強くなるため、リラックスして検査を受けてください。
骨塩量測定検査
「骨粗しょう症」とは、骨がスカスカになり、骨折を起こしやすくなる病気です。
骨は形成と吸収(破壊)のバランスで骨密度を保っています。女性では、閉経により女性ホルモンが減少すると骨吸収が盛んになり、バランスが崩れて骨密度が急速に低下します。骨密度が若い女性の70%未満になると、骨粗しょう症と診断されます。
骨粗しょう症の初期には、痛みなどの自覚症状が現れにくく、骨粗しょう症が進むにつれ、次第に背中や腰の痛み、背骨が曲がる、身長が縮むといった症状が現れはじめます。
骨密度の低下が進むと骨折を起こしやすくなり、特に手首、背骨、太ももの付け根が骨粗しょう症による骨折の頻度が高いところです。
現在わが国には約1,300万人の骨粗しょう症の患者さんがいると推定されていますが、実際に治療を受けている方は約2割と言われています。そして、骨粗しょう症による骨折のために生活の質が低下したり、介護を受けたりする場合もあり、骨粗しょう症の正確な診断と適切な治療を受けることが大切です。
女性の方には、50歳を過ぎた頃から定期的に骨塩量を測定されることをお勧めします。
内容
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- 検査時間
- 5分程度
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- 2019年度実績
- 329件
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- 骨塩量測定装置
- (株)日立製作所 DCS-600EXV
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DCS-600EXV -
測定方法
血管造影検査
血管造影とはアンギオグラフィーと呼ばれている検査です。一般的に太ももの付け根や腕や手首(目的によって使用する血管は様々)の動脈からカテーテルとよばれる細い管を入れて、カテーテルを目的部位まで進めていきます。そこから造影剤を注入しながらX線透視撮影を行い、血管の形態や血流の状態(狭くなったり、詰まったりしていないか)、腫瘍に関連している血管などを調べる検査です。適応部位は、脳、心臓、胸部、腹部、骨盤部、上肢、下肢とほぼ全身を網羅しています。血管造影検査は動脈だけでなく、静脈の形態も調べることができます。通常は、局所麻酔で行われますので、患者さんは意識がある状態で検査を受けることができます。
アンギオグラフィーにおいて、病変に対して治療を行うことを、IVR「Interventional Radiology=インターベンショナルラジオロジー」といい、日本語では「画像下治療」と訳します。カテーテルを用いて行う治療ですので、外科手術のようにお腹や胸を切らずに、体の奥にある臓器や血管の治療ができる方法で、患者さんの体への負担が圧倒的に少ないという特徴を持っています。
内容
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- 検査時間
- 検査内容により異なる
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- 2019年度実績
- 320件
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- 心・頭部血管撮影装置
- キヤノン(株) INFX-8000V/H9
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右冠動脈造影 -
左冠動脈造影
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下肢造影 治療前 -
下肢造影 治療後
スタッフ
放射線専門医:2名/診療放射線技師:13名/事務:1名
検診マンモグラフィ撮影技術認定技師 | 4名 |
X線CT認定技師 | 4名 |
肺がんCT検診認定技師 | 3名 |
胃がん検診専門技師 | 2名 |
胃がんX線検診読影部門B資格 | 2名 |
胃がんX線検診技術部門B資格 | 3名 |
胃がんX線検診基準撮影法指導員 | 1名 |
日本救急撮影認定技師 | 1名 |
日本磁気共鳴専門技師 | 1名 |
放射線管理士 | 1名 |
Ai認定診療放射線技師 | 2名 |
画像等手術支援認定診療放射線技師 | 1名 |