整形外科・リウマチ科
診療科の紹介
当科では、外傷はもとより、脊椎脊髄疾患、関節疾患、関節リウマチ、スポーツ外傷、リハビリテーションと多岐にわたって診断・治療を行っています。
整形外科は現在、常勤医4人、非常勤医3人の計7人のスタッフ(全員が日本整形外科学会の専門医です。)で診療にあたっております。
リハビリ担当者や看護師と共に手術症例の入院患者さんに対する合同カンファレンスを毎週月曜日に行い、EBM(根拠に基づく医療)に基づいたチーム医療を心がけています。
また、地域住民の疾病予防や健康に貢献すると病院の理念にも謳われているように、地域住民の信頼される医療機関としての立場から、近隣の労働災害に伴う外傷や独居高齢者の脊椎や大腿骨骨折などの症例も多く、医学的治療だけでなく、MSW(メディカルソシャルワーカー)を中心に社会資源の活用を図るべく、ケアマネージャーや施設と調整を行い、できる限り受傷以前の生活環境での生活が維持できるように入院生活で訓練指導を行っています。
特色(得意とする分野)
日本整形外科学会のガイドラインに沿った治療方針のもとに、個々の患者さまの評価に基づき最新・最適の治療法を患者さまと共に選択し実施しています。
また、クリニカルパスの導入により医療の標準化、医療の質の向上、患者さまの満足度の向上、病院生活の短縮化にも努めています。
特に、脊椎外科では内視鏡下、顕微鏡視下に手術を施行し、手術操作による神経への損傷を極力回避すべく努め、低侵襲手術による早期離床、早期退院をめざしています。関節外科におきましても、術直後の疼痛緩和のためカクテル注射療法による除痛、術翌日からのCPM 装置による関節の受動運動の開始、肺塞栓予防のための抗凝固療法の実施、経験豊かな専門理学療法士による機能回復の訓練に努めています。
得意な分野
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一般整形外科(四肢骨折、腱断裂、捻挫など外傷)の治療
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脊椎・脊髄疾患(頚椎症性脊髄症、頚椎症性神経根症、頚椎椎間板ヘルニア、頚椎後縦靭帯骨化症、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離・すべり症、腰椎圧迫骨折)の手術治療(顕微鏡視下手術、内視鏡下手術、経皮的椎体形成術、経皮的椎体固定術)
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関節外科(変形性股関節症、大腿骨頭壊死症、大腿骨頚部骨折、大腿骨転子部骨折、 変形性膝関節症、膝半月板損傷)の手術治療(人工関節置換術、人工骨頭置換術、関節鏡視下手術、骨切り術)
《関節鏡下手術と人工肩関節置換術について詳しくはこちらをクリックして下さい。》
《人工関節について詳しくはこちらをクリックして下さい。》 -
スポーツ障害・外傷(半月板損傷、靱帯断裂、腱板断裂など)の手術治療(内視鏡下手術による半月板切除術、半月板縫合術、靱帯再建術、腱板修復術)
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関節リウマチ、骨粗鬆症、リハビリテーション
当院で行う人工股関節手術について(専門医:友田医師)
当院の人工股関節手術(THA)では前方アプローチ、セメントレスステム使用が特徴で、これにより術後の疼痛軽減、早期回復が可能となっています。人工股関節は土台となるチタン製のステム、関節の動きをもたらすセラミック製のヘッド、ヘッドの受け皿となるチタン製のカップからなります。(図1)

(図1)
過去にはヘッド、カップ間の摺動面を金属同士で接触させていましたが、金属摩耗粉の問題で人工関節の緩みが出てしまい、人工関節の早期破綻が問題となりました。現在ではヘッドとカップの間にクッションとなるポリエチレンを置くことにより金属の摩耗を減らしています。その結果人工関節の耐用年数は25年から30年と言われており、人工関節の手術適応年齢は若い方で40歳台から行って良いと考えております。
人工関節の固定を得る手段としてセメントを使う手技、使わない手技(セメントレス)があります。ともに良好な固定性を得られますが、本邦では術中の合併症回避とシンプルな手術を行うためセメントレスでの手術が好まれており、当院でも採用しています。
股関節へのアプローチ方法は前方、側方、後方アプローチが主として選択されます。当院では前方アプローチを採用しています。(図2)

図2
日本各施設でのアプローチ方法の割合は、後方アプローチが6割、前方アプローチが3割であると報告があります。
後方アプローチは術中の視野が確保しやすいことで全国的には広く選択されていますが、股関節後方の筋腱と関節包を切離しなくては股関節に到達できないため、術後の脱臼リスクが高くなります。(術後脱臼率:後方4〜9%、前方1%未満)また、筋肉を切ることにより手術中の出血が多く、術後に輸血をすることも多いです。
一方、前方アプローチでは、小さい術野で手術操作をするため難易度は高いですが、前方アプローチの最大のメリットである一切の筋肉を切らずに関節内に到達ができるため、術後の回復が早く、術後の脱臼を強力に予防します。また術中の出血が抑えられ、非常に低侵襲な手術です。
当院では前方アプローチに習熟した医師により人工股関節の手術を安全に行えており、患者さんは術後日常生活復帰が早期に可能となります。
股関節痛にお悩みの患者さんがいらっしゃいましたら当院整形外科を受診し、相談をしてみてください。
主な検査・医療設備
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MRI(予約必要)
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CT(予約必要)
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筋電図検査(予約必要)
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手術用顕微鏡、内視鏡
診療実績
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診療担当表
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | ||
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午前 | 10診 | 高田院長※1 関節外科 |
新山 脊椎外科 手上肢外科 |
豊田 関節外科 骨粗鬆症 |
高田院長 脊椎外科 |
新山 脊椎外科 手上肢外科 |
当番医※2 |
11診 | 友田※1 関節外科 (人工関節) |
豊田 関節外科 骨粗鬆症 |
谷口 肩関節 スポーツ外傷 |
橋本 | 友田 関節外科 (人工関節) |
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12診 | 谷口 肩関節 スポーツ外傷 |
(※1)11時で受付終了 (※2)再診予約のみ
ドクター紹介
氏名 | 役職 | 専門分野 | 専門医資格・所属学会など |
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高田正三 | 院長 | 関節 リウマチ 脊椎 |
日本整形外科学会専門医 日本リウマチ学会リウマチ専門医 日本リハビリテーション医学会認定 研修施設指導責任者 日本リハビリテーション医学会認定専門医 日本リハビリテーション 医学会認定臨床医 中部日本整形外科災害 外科学会功労会員 日本医師会認定産業医 日本医師会生涯 研修システム認定 身体障害者指定医(肢体不自由) |
豊田嘉清 | 部長 | 関節 | 日本整形外科学会専門医 中部日本整形外科 災害外科学評議員 身体障害者指定医(肢体不自由) |
新山文夫 | 部長 | 関節 脊椎 |
日本整形外科学会専門医 日本整形外科学会認定 脊椎脊髄病医 |
友田統明 | 医員 | 関節 (人工関節) |
日本整形外科専門医 難病指定医 |
谷口充 | 非常勤 | スポーツ | 日本整形外科専門医 日本整形外科学会 スポーツ医 日本スポーツ協会公認 スポーツドクター 日本肩関節学会リバース型 人工関節認定医 |